藤沢市難病対策地域協議会委員のみなさまへ・情報共有

一般社団法人結ライフコミュニケーション研究所
代表理事・研究員 高橋宜盟
Tel.080-3739-1144, メール yoshi@yuilab.net

はじめに

私は、有限会社オフィス結アジアの代表取締役をしています。「指伝話(ゆびでんわ:伝の漢字を使っています)」というiPadで使うコミュニケーションアプリの開発販売をしています。難病の方、自分の声で話したり動いたりが難しい方たちにも使っていただいています。
その中で、アクセシビリティやコミュニケーションの大切さを伝える活動が必要と考え、一般社団法人結ライフコミュニケーション研究所で、教育・啓発活動を行なうようになりました。
2021年9月から、東京慈恵会医科大学・先端医療情報技術研究部のアクセシビリティチームに所属し、医療関係者とともにアクセシビリティに関する研究活動を行なっています。
今回、難病対策地域協議会の委員として、委員のみなさまと情報共有をしたく、資料にまとめました。
ご不明なことがございましたら、いつでも電話・メールでお声がけください。

「アクセシビリティ機器(iPad)の導入について」(動画)

2022年3月の慈恵医大主催・第1回アクセシビリティセミナーの動画です。
 難病(ALS)の方を含む7人の大人とこどもがアクセシビリティ機器を活用している様子を紹介しました。20分程ですので、是非ご覧ください。
ALSの方が、日々できることが少なくなって悲しいと思っていた中で、iPadをスイッチで操作し、できることが増えていったら、笑顔が戻ってきました。
 医療は心臓を止めない、アクセシビリティは心を止めないために必要です。

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iPadのアクセシビリティの入門書

日常生活用具 携帯用会話補助装置・情報通信支援用具
iPadがあなたの生活をより良くする
 重症ギランバレー症候群となり4ヶ月の意識不明から目が覚めた時には、四肢麻痺で目しか動かせず、呼吸器をつけ、話しができなかった医師が、アクセシビリティを活用して日常生活をより良くしています。その経験を共有するために書いた本です。私も執筆者の一人として、ユーザ事例や技術説明の章を担当しました。ご希望の方にお送りしますので、メールでご連絡ください。

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指伝話コミュニケーションパック

日常生活用具 携帯用会話補助装置・情報通信支援用具
 ALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィー、SMA(脊髄性筋萎縮性)などの神経難病の方にもお使いいただいているiPadで使うコミュニケーションツール(コンテンツとアプリのセット)です。流暢な合成音声でお話をすることや、わずかな体の動きで家電操作をしたりメッセージを送ることができます。日常生活用具の携帯用会話補助装置・情報通信支援用具として公費給付を受けての購入も可能です。
 公的支援には重度障害者向け意思伝達装置もありますが、最近では使いやすく馴染みのあるiPadやiPhoneを使う日常生活を続けたいという方も多く、国も汎用品の活用を進めていることもあり、人気があります。

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自分の声で作る合成音声

コエステーション・無料
 スマートフォンアプリを使って指定の文章をいくつか読み上げることで、自分の声の分身である「コエ」を生成し、テキストを入力するだけでその「コエ」でしゃべらせることができるサービスです。
 喉頭癌や難病で自分の声で話せなくなる前に、自分のコエの合成音声を作っておくとiPadを使って自分のコエで話をすることができるようになります。
 なお、指伝話メモリ(アプリ)を使うと、オフラインでもその声を使ってお話しできるようになります。講演会で使われている方もいます。

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ベッドもアプリで操作できる

パラマウントベッド・楽匠プラス
 パラマウントベッド社の電動ベッド「楽匠プラス」は、操作リモコンが、iPhoneやiPadのアプリとして提供されています。
 体の動きがわずかな方が、スイッチを使ってiPadのアプリを操作できます。つまり、ベッドの角度調整も自分でできます。
 以前は環境制御装置として数十万円かかっていたものが、ベッドを持っている方なら無料で使えるアプリになっています。声で操作することもできます。
 自分でできることが増えると、みなさんとてもいい笑顔になります。

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家電操作もiPadから・スマートスピーカーも便利

iPadからテレビを操作
 最近は、スマート家電と呼ばれiPadやスマホから操作できる家電製品が増えてきました。新しく買い換えるのはコストがかかりますが、昔からある赤外線リモコンがついたものであれば、Nature Remoという製品を使って、
iPadやスマホから家電操作ができるようになります。
 また、OK Googleやアレクサといったスマートスピーカーを使って、声で家電を操作できる仕組みも人気です。それらはiPadを使って、スイッチ操作や視線入力でも操作できます。病気や障害のある方だけでなく、誰にとっても便利です。みんなが同じように便利になるという点からも、楽しく導入してより良い生活環境を整えるというのが、最近の人気です。

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アクセシビリティ・コミュニケーション勉強会・相談会

お力添えください
iPadからテレビを操作
 新しく便利な技術ができても、その情報を知らない人も多く、情報があっても誰に相談していいかわからないという人もいます。難病の方でICT支援機器に関する情報を得ている人は100人のうち10人、その10人の中で機器の活用ができているのは1人の割合だと言われています。
 結ライフコミュニケーション研究所では、ICT支援機器に関する相談会・勉強会を各地で開催してきました。地元藤沢では、コロナによって開催が減り、新たな相談を受ける機会が減っていました。2023年4月以降に月に1度程度藤沢市役所の会議室を借りて相談会の開催や機器展示を行うことを計画しています。
 こういった情報は、当事者と家族だけでなく、医師・訪問看護・訪問リハの方々にもお伝えし、知っていただきたいと思います。委員のみなさんの周りで、こういった会が必要というお声がありましたら、是非お知らせください。
 ほんのちょっとしたことが使えるようになるだけで、日々の暮らしが楽になることがあります。
 どうぞよろしくお願い致します。

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